椅子にこだわる贅沢時間

仕事をする時間、食事をする時間、ちょっと一息つく時間。

考えてみれば、私たちは一日の中でかなり長い時間を椅子の上で過ごしています。

毎日使うものだからこそ、椅子には少しこだわってみる。

私が仕事用に選んだのは、オカムラの「シルフィー」。
食卓には、宮崎椅子製作所の「No.42」と「daen」を選びました。

3脚とも気に入っている椅子ですが、実際に購入して使ってみて感じたのは、椅子はカタログや写真を見ているだけでは分からないということでした。

椅子を探し、実際に座り、素材を選び、出来上がるのを待つ。

そんな時間も含めて、私にとっての「椅子にこだわる贅沢時間」です。

ネットで選んだ椅子とは違った、オカムラ・シルフィー

オカムラ シルフィー

仕事用の椅子を買おうと思ったとき、最初はネットやカタログでいろいろと調べました。

そして、「これが良さそうだ」と考えていた椅子もありました。

ところが、最終的に購入したのは別の椅子。オカムラの「シルフィー」でした。

購入にあたって利用したのが、東京・馬喰町にある高機能ワークチェア専門店「WORKAHOLIC(ワーカホリック)」です。

ここではコンシェルジュに、自分がどのように椅子を使うのか、どんな座り心地を求めているのかを伝えながら、いくつもの椅子を実際に試すことができました。

同じ高機能チェアでも、座ってみると感覚はかなり違います。

背中の支え方、座面の感触、身体を動かしたときのフィット感。

スペック表を比較していたときには分からなかった違いが、実際に座ってみることで見えてきました。

そして、自分に合っていると感じたのがシルフィーでした。

椅子は、頭で選ぶものではなく、身体で選ぶものなのかもしれない。

そんなことを感じた買い物でした。

No.42との出会いは、一つの記事から

宮崎椅子製作所 No.42

ダイニングチェアについては、仕事用の椅子とは少し違った出会いでした。

宮崎椅子製作所を知るきっかけになったのが、「No.42」という椅子です。

デンマークの家具デザイナー、カイ・クリスチャンセンさんがデザインした椅子を、徳島県鳴門市の宮崎椅子製作所が復刻しているという記事を見たことから興味を持ちました。

北欧で生まれた椅子が、長い時間を経て、日本の椅子づくりの会社によって再び作られている。

その物語に惹かれ、No.42について調べていくうちに、そのデザインにも魅力を感じるようになりました。

「ダイニングチェアを買うなら、これがいい」

そう思ったのが、宮崎椅子製作所との最初の出会いです。

同じ椅子を2脚では、ちょっと面白くない

ダイニングチェアは2脚欲しかったのですが、せっかくなら同じNo.42を2脚揃えるのではなく、違う椅子を楽しんでみようと思いました。

そこで、もう一脚に選んだのが、小泉誠さんがデザインした「daen」です。

形の違う2脚ですが、樹種と張地を同じものにすることで、食卓に並べたときに統一感が出るようにしました。

宮崎椅子製作所の椅子は、木の種類や張地などを選ぶことができます。椅子の高さについても相談しながら微調整できます。

既製品の中から一つを選んで終わりではなく、自分の暮らしに合った一脚を考えていく。

この過程も、椅子を買う楽しみの一つでした。

気づけば、いつも座っているのはdaen

宮崎椅子製作所 No.42とdaen
左:No.42  右:daen

ところが実際に2脚を使い始めてみると、少し意外なことが起こりました。

もともと私が一目惚れしたのはNo.42です。

もちろん今でも気に入っています。

ところが、毎日の食事やちょっと座るとき、気がつけば私が選んでいるのはdaen。

どうやら私の身体には、daenの座り心地の方が合っているようです。

ここでも、仕事用のシルフィーを選んだときと同じことを感じました。

「見る」のと「座る」のは、やっぱり違う。

デザインやスペックも大切ですが、毎日身体を預ける椅子だからこそ、できることなら実際に座って選んだ方がいい。

No.42とdaenを使ってみて、改めてそう思いました。

一脚の椅子ができるまでを知る

宮崎椅子製作所 daen

その後、daenについて紹介したYouTube動画を見る機会がありました。

そこで知ったのが、daenが構想から製品になるまでに10年を要したこと、そして、この形を実際の椅子として作ることの難しさです。

試行錯誤を重ねながら一脚の椅子を形にしていく。

そんな話を聞いていると、普段何気なく座っているdaenが少し違って見えてきます。

そして、動画の中で私がもう一つ印象に残ったのが、話を聞いている宮崎椅子製作所の社長の嬉しそうな表情でした。

「本当に椅子が好きな人たちが作っているんだな」

そんなことを感じさせてくれる動画です。

作り手の思いや、そこに至るまでの試行錯誤を知る。

それも、長く使うものを選ぶ楽しさの一つなのかもしれません。

届くまでの時間も楽しむ

宮崎椅子製作所の椅子は、注文してすぐに持ち帰れるものではありませんでした。

樹種を選び、張地を選び、自分の希望を相談して注文する。

そして、出来上がるまで待つ。

便利さだけを考えれば、注文した翌日に商品が届く時代です。

でも、「どんな椅子に仕上がるだろう」と想像しながら待つ時間も、悪くありません。

選んで、注文して、出来上がるのを待つ。

待つ時間まで楽しめるのも、ちょっとした贅沢なのではないでしょうか。

椅子を選ぶ時間も、贅沢時間

仕事用のオカムラ・シルフィー。

食卓用の宮崎椅子製作所・No.42とdaen。

選んだ経緯はそれぞれ違いますが、3脚を使ってみて共通して感じていることがあります。

椅子は、できれば実際に座って選びたい。

ネットで調べる。
お店へ足を運ぶ。
いろいろな椅子に座ってみる。
木や張地を選ぶ。
でき上がるのを待つ。
そして、実際に暮らしの中で使ってみる。

効率だけを考えれば、もっと簡単な買い方もあります。

でも、毎日長く付き合うものだからこそ、少し時間をかけて選んでみる。

高価な椅子を買うことそのものが「贅沢」なのではなく、自分に合うものを探して、選ぶ時間を楽しむこと。

それが、私にとっての「椅子にこだわる贅沢時間」です。

この記事をシェア
  • URLをコピーしました!